自分は2007年に大学に入学し、4月で大学生活7年目です(大学4年+大学院3年目)。
自分が大学入ったころ(2000年代後半)に周りの学生が認識していた「活動的学生の活動」と、いまの大学生(2010年代前半)の認識では違いがあり、それは社会の変化とも相関があるように思います。
「活動的学生の活動」というとやや変な感じですが、「学生のイケてる活動、と認識されていた行動」「意識の高い学生の活動」「意欲のある学生の活動」あたりの意味を入れています。どう表現しようか迷いました。
肌で感じることについて、エッセイ的に主観で書いてみたいと思います。
活動的学生の活動 〜2000年代後半
思えば、2007年に入学したときは「ITベンチャー」の熱気が残っていたと思います。IT業界の風雲児として一世を風靡した堀江貴文さんは、
2004年 大阪近鉄バファローズ買収騒動
2005年 ニッポン放送買収騒動、衆議院選挙立候補
2006年 東京地検特捜部による家宅捜索
(2011年 実刑判決確定)
というタイムラインを過ごしています。
その熱気は学生の活動にも影響があって、
例えば東大の起業サークル、TNKは2005年に設立されました。
実際に起業した人で言えば、学生の間ではヴォラーレ(2007年創業)の高橋飛翔さん、ホットティー(2006年創業)の保手濱彰人さん、あたりが有名で、一定のロールモデルになっていたと思います。現在の一番の有名どころだと、リブセンス(2006年創業)の村上太一さんだと思います。
さらに学生の間では「ITベンチャーでインターン」をしてる学生はちょっとすごいんじゃないか、とか、「起業じゃなくてもサークルを立ち上げる」「イベントを起こす」というのがスーフリ事件の逆風はありつつも流行だったように思います。相対的に。
就活の時も、超優秀な学生は「外資系投資銀行」か「外資系コンサル」か「ITベンチャー」か「P&G」に行く、というような空気があったように思います。
ライブドアの堀江さん、サイバーエージェントの藤田さんが当時まとっていた空気と同じように、「とにかくデカくなってやる」、そのためには「とりあえず」だけれども、可能性のあるITベンチャーで勝負する、という選択肢を取る、取りたがる、学生が多かった、空気があった、ように思います。
活動的学生の活動 〜2010年代前半
「社会貢献」「グローバル」色の強い活動が増えてきたように思います。代表例を挙げると、2009年にGCMPを設立し、2010年にe-educationを始めた税所篤快くんの活動や、Teach for Japan、Table for TwoなどのNPOが本格的に注目されてきたのもこの頃ではないかなと思います。
加えて、留学熱が上がっているように思います。ベンチャーでインターンした、学生団体立ち上げた、学生がすごい、というよりは、ベンチャーで何をしてるのか、学生団体は何を目的として何をやってるのか、がより問われてきていると思います。そして、留学・成績・英語のスコアなどより目に見えるものを証明として追っている、そんな気がします。その意味で言えば、「真面目」に映るかもしれません。
就活の現場はいまいちわかってませんが、リーマンショックを受けて外資系投資銀行の人気は相対的に下がり、ITベンチャーへの熱気も相対的に下がっていて、商社一極集中、という感じではないでしょうか。
同じく、「起業」に対する認識も変わってきていて、「IT系×ベンチャー」から「社会貢献×活動の器の形は問わない」という形に変化していると思います。
結局のところ学生なんていつの時代も「自分を認めてほしい。ちっぽけだと思われたくない」という動機で動いているので、時代が変わったというよりも、FacebookやTwitterが広く普及したことで、承認欲求が満たされやすくなり、より賛同を得やすい社会貢献とかをやってるだけなんじゃないかと思いますよ。
返信削除面白い考察ですね。と同時に少なからずともSuminoさん自身の行動範囲・興味範囲が推移して行くにつれ出会う層、目に付くところが変わってくるというのもあるんでしょうね。次の世代は何が来るんでしょう。
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