2013年4月14日日曜日

【G1サミットまとめ2】WEBは政治を変えるか

【URL】
http://www.youtube.com/watch?v=876ZuITwuQ4

【登壇者(敬称略)】
柴山昌彦
衆議院議員(自民党) 総務副大臣 弁護士

鈴木寛
参議院議員(民主党)

夏野剛
慶應義塾大学政策・メディア研究科 特別招聘教授

松田公太
参議院議員(みんなの党)

津田大介(モデレーター)
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト

【内容】
津田:75分しか時間がない中で、最初7割をインターネット選挙解禁に充てたい。自民党・公明党が合意し、自民党が他党にも呼びかけて参院選までに解禁になるであろうことを踏まえて。解禁で状況がすぐ変わるとは思わないが、短期的・長期的にどう政治を変えていくのか。また、いわゆるデジタル怪文書などネガティブキャンペーンも問題になってくると思うが、正の面と負の面を踏まえて長期的短期的な視点でいくつか、ネット選挙解禁することでどう政治が変わるのか議論したい。

そのあと3割を政府の情報発信・オープンガバメントと言われているような、ネットで政治との距離を近くする日本なりのやり方というのはどういうものかという話。最終的には未来に明るい話をできればと思う。

議論に先立って、ネット・ウェブと政治の関わりについてはお考えがあると思うので、柴山さんから一人5分ずつくらい、ネット選挙のみならずウェブと政治について思うところを自己紹介とともに。

柴山:総務副大臣の柴山です。総務省は幅広い所管事項があり、放送行政・情報通信・郵政改革などを担当する副大臣です。オープンガバメント・情報通信を利用していろいろなことをやっていくのが所管です。選挙活動も実は総務省の所管です。議員立法で成立に向かうネット選挙を総務省として側面からサポートしていく。私からはこれまでのおさらいをしたい。これまでの議論の状況(資料掲げる)。

インターネット選挙は、ともすると権力者に不利な傾向がある。例えば、アラブの春。時の権力の腐敗・横暴に対して表現手段が限られている一般人が立ち上がるのにウェブが大きな武器になる。自民党がずっと政権を担っていたときに、最初にインターネットの選挙活動について立ち上がったのは民主党。平成10年、13年、16年と民主党からネットによる選挙運動解禁するための公職選挙法改正提案がされていた。そこでは幅広く行為者主体について、手段について認めていく提案が出ていた。それに対して自民党ではベテランを中心に慎重論があったが、与党にとってもしっかりと幅広く意見・主張を誤解なく伝えていくためにもインターネットというツールは大切と若手議員の一部は考えていて、世耕さんを中心にインターネット選挙PT(Project Team)が立ち上がって、自民党も呼応して議論を進めていた。そして自民党が野党になって本格的にインターネット選挙運動を解禁する公職選挙法改正を提示した。

その案は民主党の案にかなり近いもので、主体の制限なし、メールもある程度認めていく、という法案で自民党内をまとめた。野党だからこそ案がまとまった。野党になると批判が出てきて、ウェブの世界でも批判を取り込んで政権復帰ができるのではないかという力も働いた。

一般に言われているように、なりすまし・誹謗中傷をどうするかというテーマがネックになった。主体は制限もなく、メールも解禁するが、いろいろなメーリングリストがある中で、一括送信で大量の文書が出回ることを潔しとしない人もいる。選挙運動用のメール送信を許可した人にのみメールを送信して良しとする。一般のウェブに関しては解禁はするが、表示のメールアドレスについては明らかにする。という形で制度設計をさせていただいた。

我々の提案に基づいて各党の協議もまとまった。
自民党・民主党はオープンな提案にしていたが、各党の協議では小さくスタートすることを主張された。インターネット選挙活動をする主体として、第三者・電子メールはやめて、スタートすることになった。バナー広告についてはやめるといってたものを公職の候補者に限って各党協議では解禁することにした。こういう逆に広くなった部分もある。
これに対してみんなの党が法案提出し、解散前後に自民党案を参考にした案を出してもらっている。

今回参院選前に具体的に巻き直しをしようというのは、当初予定したウェブのみならず、Twitterなどソーシャルネットワークでも情報発信ができるようにしよう、第三者についても情報発信ができるようにしていこう、当初の理念に従った制度設計をしていこうということ。弊害防止のための制度設計をした上でスタートさせようということでまとまっている。

津田:いまの自民党案はTwitter・ブログはOK、バナー広告は党のみにするということで原則OKということだと思うが、公示期間中に政治家がニコ生に出る、もしくはニコニコで自分のチャンネルを作って自分用の生放送の選挙演説をすることについては。

柴山電子メールについては制限が強くしているが、動画も含めて文書図画については解禁する、ただし責任者を明らかにする、という方向で進める。各党協議で法制度を詰めるが、津田さんのおっしゃったことも基本的にOKということになります。

津田:柴山さん自身は賛成ということですよね?

柴山:役所の立場としては、議員立法でまとめていただいてバックアップしようということなので、私としての意見は言いづらいが、G1サミットなのであえて申し上げると、私たちの政治文化の成熟につながると考えているのでぜひ解禁したいと思っている。

津田:自己紹介とウェブと政治についての思いを。ネット選挙についての是非も添えて。

鈴木:民主党の広報委員長とネット選挙活動についての委員会が政治改革本部の中の設置され、その委員長をやっている。事務局長は田島要さんです。

私は明快に賛成という立場、慶應のSFCにいたときから、ネットを民主主義のプラットフォームとして最大限活用する、ネットで「熟議」をする社会を作るという思いでやってきた。世耕さんとも一緒にやってきたが、いよいよなんとかこの国会で成立して、参院選からできればと思ってる。ウェブは政治を変えるかというテーマだが、既にウェブは政治を変えているという話をしたい。

変えたことをいくつか申し上げる。文部科学副大臣を2年間やったが、1年目の予算編成で人作りの予算がコンクリートの予算に追いついて、2年目にコンクリートの予算、国土交通省の予算を上回りました。政策コンテストをやり、190の予算がノミネートされ、35万通のメール・意見が寄せられ、190のうち1から8位が人作りに関する予算だった。1番目は奨学金を充実させろ、2番目は少人数学級を小学校中学校でやって塾に行けない子にも学習権が保証されるように、ということ。

予算配分構造の順番が変わるのは、省庁の順番が変わるというのは省庁の予算形成史上初めてのこと、これはネットが政治を変えたと言って良い。35万のメールのうち、17万が10代・20代・30代からのメール。民主主義は参加だと小泉さんが言ったが、ネットが参加のチャンスを開き、政治は税金の集め方と配り方を決めるものだが、まさしくそこを変えた。

3.11の東日本大震災のときも、Speediのことがいわれますが、元の発電所からどれだけ線量が出てるのかわからなかった、大変なパニックのときに放射線を実測しようということでモニタリングチームが決死の思いで行ってくれました。そこから上がってくる情報を処理するのにネットの皆さんにお世話になりました。

文部省のウェブに情報を載せるにあたって、世界で最もアクセスが集中してただちにページが落ちることが予想されたので、部隊を派遣すると同時に、村井淳さんに電話して、モニタリングアップするまでに、文科省サーバーを世界で最も落ちないサーバーにしなければいけないので協力してくださいと言って、村井先生からISP(Internet Service Provider)にお願いしました。詳しくは文部科学白書をご覧いただきたい。民間企業・大学、問わず協力してくれました。

データの加工も衛星電話が切れて手書きでやる中で直してると誤記があるので、WIDEの人とか、エクセルを使うのが一番上手いであろうマイクロソフトの人に自分の部屋の隣に常駐してもらった。皆さんが持ち寄ってパブリックの仕事としてみんなでやれた、政治のありようを変えた。平時だったら許可の手間がかかったが、当時はいい意味で政治主導でできた。このようにウェブは政治を変えている。

津田:唯一、議員ではない立場で参加する夏野さんには、違った関わりでお話を。今のソーシャルメディアプラットフォームを握っているのがほとんどアメリカの企業であることも重要な問題になる。それは後で話すとして、ネット選挙解禁についてどう思うか、ウェブがどういう形で政治と関わるか。

夏野:さっき小泉さんの話を聞いてて、「不要な敵を作るな、不要な嫉妬をかき立てるな」というのを聞いて、俺の人生と真逆な人生だと思った。不要な敵ばっかり作ってきたが、性格変えられないのでこのまま突っ走る。ネット選挙に関してもしゃべると不要な敵を作ってしまう。案を見てると、ニコニコが政治に関してプレゼンスがないときに出てきた案なので、この2年間で状況変わっていると思う。

ニコニコやってて、YouTube、UStream見てておもしろいのは、国のリーダーあるいは可能性がある人のリアルな人間性が如実に出てしまうこと。選挙期間中などいろんな政治家の方とお会いする機会が多い。言ってしまうと、けっこういい加減なことを選挙活動で言ってる人が多い。例えば、恐ろしいことを言ってる女性参議院議員がいた。「IAEAなんてアメリカの手先です。そんなものの言いなりに成っているとろくなことはありません」。国連の機関がアメリカの手先だなんて北朝鮮の政治家かという話です。そんなことを平気で選挙区の応援演説で言ってるんですよ。でも報道されない。個別の話は報道しちゃいけないから。

別のところ、栃木県では中村さんという人が「国からお金を持ってきます!」と叫んでいた。「でも地元の人にとってはそれでいいんだろ」とみなさん一瞬思うかもしれませんが、そういう話ではない。炎上してないから問題になってないだけで、本来であればもっと炎上していい話。IAEAも事務総長が日本人で、応援して変えていくべき話で、どこかの国の手先というのは冷戦時代のおかしな話。それを国のリーダー、議員のレベルの人が公然と発言しても報道しちゃいけない。マスコミが偏向しているみたいな話があるが、偏向している国会議員がたくさんいる。ネットだと全部出る。栃木だけ持っていったらまずいだろという話が出ていい。地元であっても、地元に金を持ってくるというのは評価されていない。支持者に向かって言ってるので報道できない。報道しちゃいけないというのがあって、情報を知らしめないために選出の過程が歪んでいるのが実態だと思う。

インターネットが出てきて何が一番変わったのかというと、政治家がちゃんと考えてちゃんとしゃべれる人とそうでない人が見事に分かれた。ちゃんとしゃべれない人はG1にきてないし、ニコ動に出られません。石破さんが幹事長になったのはかなりニコニコが貢献したのではないかと思う。ニコ厨の応援がすごい。本人も言ってるけど、顔も悪いし、話してることがオタクっぽい。けれど、しゃべってることが常にロジカル。小泉(進次郎)さんはメディアに出ないと言っていたが、出るべきだ。

様相が変わってきている。国会議員、リーダーの資質がさらけ出されるようになるという意味で絶対に良い。
もう一つ、ウェブとかインターネット選挙に関しては、メディアの側面と単なるコミュニケーションツールの側面があり、同等に網(規制)をかけるのは齟齬が起きると思うので議論したい。

津田:ネット選挙解禁についてと、ウェブがどう政治を変えるのかという点で。

松田:みんなの党で、副幹事長・政調副会長・広報委員長という立場でネット選挙解禁をやっている。夏野さんが「栃木県で国会議員が公共投資を引っ張ってくるぞ!と言っている」と聞いてドキッとしたが、渡辺喜美代表は逆で(注:みんなの党、渡辺喜美代表は栃木3区)、栃木で農業王国でTPP参加するべきだというと石が飛んでくるような世界でも、結果的に圧勝した。残念ながらこういったところがマスコミに取り上げられなかった。ネットでは、良いところも見ていただくきっかけになるのではと思っている。

2年前に出馬しようとしたとき、最初にびっくりしたのが、インターネットが選挙に使えないこと。ほんとに驚きました。自分の考えをわかってもらうこと、国民の皆さんのアイディアを吸い上げること、という政治家の宿命にこれ以上に優良で便利なツールはない。なぜ使えないのか。ほかの先進国、民主主義国家では全て使える。日本だけが使えないことで驚いた。三木谷さんにこういうことを言いました。例えば、小売業者が強力な団体を作って立法権を持って小売業はインターネットを使ってはいけないということになるのはおかしいだろうと。既得権があるんだろうと思う。絶対に変えなければならないと思ったことの一つ。

公職選挙法全体がおかしいのではないかと思っている。お茶は出していいが珈琲は出してはいけない。もともと珈琲屋だった私はエスプレッソ出そうとしたら止められた。お茶はいい。わけがわからない。ペットボトルで蓋を閉めて出したらアウト、空けて出したらいい。選管によっても違うと思うが。弁護士が見てもわかりづらい法律になっているので、直していかなければいけない。

前回の衆院選で広報委員長としてチャレンジした。選挙期間中はFacebook、ブログ、一切更新できない中で、本人が更新するのではなく、自動的にブログ・ウェブサイトを見ている視聴者によって動いたらどうなるか。と思った。みんなの党のFacebookを作り、投票という機能を持たせて、原発がイエスかノーか、最初の質問でみんなの党は期待できる政党か、イエスかノーか、ということで公示日以降も投票が集まるとグラフが動く。このくらいいいだろうと思い、実際総務省に確認したところ、それはなんとも言えないと言われた。しかし実際それを使い始めたら、選対本部に総務省から連絡があり、あれはグレーですよ、警告しましたからねという警告が2回あった。あれを使い続けたらどうなるかわかりませんよ、危険を察してやってるんですねという脅しがあった。公職選挙法はわかりづらいなと痛感した。賛成か反対かと言えば法案も2回提出している我々は大賛成、なるべく自由に使っていただきたいと思ってる。

津田:自己紹介とウェブと政治についてのプレゼンを頂いて、順調に押しておりまして残りQ&Aまで30分。

ネット選挙は解禁される前提で短期的な話と長期的な話をしたい。
ネット選挙解禁以前の話として、昨今の選挙がデータ解析重視になり、小選挙区制になり、選挙予測がデータ分析できるようになった。選挙予測ができるスタッフを抱えているのが有利になるのではないか。アメリカは顕著で、オバマは前回の選挙から選挙分析の5倍の人員に増やしてデータマインニングで勝ったと言われている。

ニコニコ生放送で中継されている中でコメント見ていたが、「ネット選挙解禁したら結局金持ってるやつが最強なんじゃねえの?」という声がある。地盤看板カバンに頼らなくても新規参入をしやすくするのではないかというメリットが叫ばれる反面、アメリカを見るとカールローブのような、ラスプーチンのようなメディアコンサルタントが幅を利かせて、よりメディア対策にお金がかかっている状況。

ネット選挙解禁したところで、ネットでどうやって情報発信していけばいいかわかんない、G1サミットに来ているような方は大丈夫だと思うが、ブログとTwitterどう違うんだ、っていうところから始まるような政治家がついていけるのか、というときに、今の政策秘書ではなくメディア対策秘書を雇うのか、ネット選挙解禁したら広告代理店とかPR会社とかドワンゴが儲かるだけじゃねえかという。

夏野:もしかしてそれで株価上がってんのかな。最近、根拠なく。

鈴木:それは正直あると思う。現に、自分でTwitterやブログできない先生でも、自分よりお金かけてすばらしいウェブを持ってらっしゃる。とはいえ、オールドメディアでもお金持っている人が強いというのは事実。そこで一矢報いるためにお金だけではなく、ボランティアでいろんな知恵や時間を作ってくれる人をより広く集めてくれるネットは解禁した方がいいのではないかと思ってます。

前提として、ネット選挙解禁はうまくいくでしょうとおっしゃったんだけど、自分も2月5日まではうまくいくと信じていた。
2月5日は三木谷さんがやってる新経済連盟で平井さん、自分、松田さんと各党の法案責任者が出て、基本的にはウェブもSNSもメールも政党も候補者も第三者も全部できるということになった。細かく言うと、民主・みんなが電子メールはオプトアウトで、自由民主党がオプトイン、広告のところは民主党とみんなの党が政党と候補者、政党は法定費用内、自民党は政党で、というところがあるが、今後話しましょうということだった。昨日から雲行きが変わってきたという情報がある。自民党と公明党で協議をした結果、骨子が出てきて、メールについて第三者は使えないようにしようという話が出てきた。そのニュースが入った時三木谷さんの事務所にいたが、平井さんからも連絡があったのですぐ電話をして話を聞いた。公民権停止の危険が出てくるリスクを排除するために、第三者のユーザーを省くことにしたということだった。真意がどうかわからないが、何か聞いてらっしゃいますか、副大臣。

柴山:ご存知の通り、平井PTのもとで自民党案通りました。今後各党間の協議を迎えるにあたって、これから何が起こるかをきちんと想定しようという話を聞いている。来週が山場。せっかくマイクを持ったので、今のことと合わせて、いくつか誤解が生じているようなことについて発言させていただきたい。

まず松田さんが、なんでインターネットを選挙に使えないんだとおっしゃってましたが、実は、今の法律でもインターネットを政治活動には使える。政治活動と選挙運動は何が違うのかというと、一番大きいのは期間の問題。公示という一定の時点よりも前であれば、私に投票してくださいという露骨な表現は事前運動でまずいが、既にかなりいろんなことを発信できる。選挙運動期間中という、国民が最も候補者とか政党についての情報を求めるときにそれを更新したり新しく発信することが許されないだけで既にオープンになってるウェブは見られるし、検索すれば情報は手に入るという現状。誤解があるといけないので明らかにしておきたい。

何が問題かというと、選挙運動期間中に大量の第三者による誹謗中傷のメールなどが殺到した場合、いろんな書き込みがでた場合にどう対応するかという問題がある。あと選挙運動期間中はお金のある人が有利なんじゃないか、ということについて、まさしく資金を持ちスタッフを持っている人がある程度有利になってくる宿命はある。しかし、それは選挙費用に含ませることである程度乗り越えられる。けれども、大量の、特にネガティブなキャンペーンについてどう対応するかということが、おそらく、私自身はフラットだが、

津田各国はメールもOKにして、第三者のユーザーが呼びかけも含めてOKにしたら選挙期間中にメールボックスが一杯になることが多かったので、メールに関しては規制しようという議論も出ていると聞きました。

柴山:おっしゃる通りです。そういうことを前提として、ある程度縛りをきつくした方がいいという意見が出ていると想定しています。ただ私自身は聞いていないので各党協議を見守りたい。

もう一点だけ。私はそうは言ってもやった方がいい、と思う。夏野先生がおっしゃったように、解禁しないと今の仕組みだけでは足りない部分が多々出てくると思う。国民が一番関心を持っているときに、選挙期間中に私は集会をしますということすらネットでオープンにできない。イギリスでは選挙期間中に街宣車が走ることはないそうです。なぜならどの候補者がどこでどういう活動をしているということを伝える手段が完備されているということに拠る。ですから、きちんとした状況をフェアな形で受け取ることができるためには、国民が関心の高いときに的確に情報を伝えていく、ビビッドに伝えていくことが必要になるのではないか。

津田国民も24時間365日政治のことを考えているわけではないので、一番大事な公示期間中に情報が解禁できるというのが重要なのはその通り。夏野さん。

夏野:少し誤解があると思うのは、ウェブの世界ですごいお金をかけたフラッシュばりばりの最高のウェブサイトを作った候補者が票を得られるわけねーじゃんという話です。さらに、大量のメール送信したら票減りますよね?同じ候補者からドバドバきたら。議論をしている政治家の方々の中にわかんない変な人がいっぱいいるんだと思う。そういう人を排除してからじゃないとこの議論はしちゃいけないと思う。提案したいのは、この議論に参加する人に一通りウェブ検定か何かやった方がいい。使ってない人に議論させてもしょうがない。

津田:ちゃんとしゃべれる議員がネットでは目立つようになってきた。という話があった、ソーシャルメディアでは発言が蓄積されていく、ニコニコでもタイムシフトで見られたりする。政治家のいろんな側面を知ることによって、名前・地盤だけで勝ってきたような議員が淘汰される時代がウェブ選挙でもたらされると思いますか。

夏野:情報の非対称性が民主主義の敵。民主主義が成り立つためにはみんなが同じ情報アクセスを持っていなければならない。そのときに、将来のテクノロジーの進化を制限するような法律を作ってはまずい。事後対応で処理できる話と、事前に対応しなければいけないを区別して議論してほしい。大量送信は逆効果になる。

鈴木:今晩は大事な日。議員としてではなく個人としてなんとかやりたい。せっかく世耕さんとも何年もやってきたし。元々堀さんがYES! Projectというのをやってくださって、そのあとワンボイスキャンペーンとか、いろんな人たちが引き継いできた。平井PT案は細かいところはあるけど、僕らは乗ります。少なくとも民主党はまとめます。平井案を進めようとしたときに、僕も野党も他党も含めて、フロアに集う、ニコ動を見ている皆さんもどうしたら平井PT案が通るのかという情報、ヒント、提案をいただきたい。

津田:それは夜のオフの場で。せっかくなので、あんまり議論されていない2つのことを話したい。1つは、選挙期間のテレビ報道は配慮する。どこかの党を取り上げたら全部の党を言わなきゃいけない、特定の候補者をやったときは全部できるだけ同じ時間で、討論番組をやったら同じ配分でしゃべらせる。公職選挙法というよりは放送法の縛り。テレビというのが公正中立で不偏不党でなければならないという自主規制でなっている。ネット選挙解禁されて、ニコ生も自由にやるときに、政治家が自分でチャンネルを作ってやるのはいいんですけど、ニコ生が選挙特番やるときに、放送禁止用語もない中で、自主規制の基準がかわってくる中で、放送法の規制を受けていない中で、ニコ生がどういう番組作りするのか

夏野:ポリシーの問題だと思うが、不偏不党、自分たちが主義を持たない。メディアという風に自分を認識していない。完全プラットフォーム。公式コンテンツに関して、ニコニコやってる全体の意思統一ではないが、この間の党首討論を見ると政権を獲る可能性がない党首を呼ぶ必要なかったなと思う。テレビはそれでいいが、ネット選挙解禁されたら、反論のための反論にものすごく時間を使っていてまともな議論になってないケースもある。政権をとる可能性がない党は際立たせようとするので。そういうプラットフォームが出てきていいと思っている。どこかの政党を応援しようという意図は透けて見えますよ。

津田:一方で、アメリカのフォックスみたいに旗幟鮮明にしてここを応援するんだというやり方もできる。

夏野:ニコニコ的には絶対そういう対応はとらない。なぜならそういう自信もないし、評価できるものでもない、ユーザーが選ぶものというスタンスなので。ただそういう放送局が出てきても良い。そういうもんだと思ってみんな見る。そのくらいの見識は日本国民あると思う。

津田:一方でプラットフォームであるから、政治家は勝手にチャンネルを開設してやってもいい。

夏野:勝手にやればいい。いまの公職選挙法は国民を馬鹿にしている。ペットボトルを蓋した状態でもらったら一票投票すると本気で思っているのかという話。国民のレベルが高いということをふまえて法制度を見直してほしい。

津田:もう一つ最後にネガティブキャンペーンの話をしたい。一つ確かにそうだと思ったことがある。
今の自民党案だったらプロバイダー責任法を変えて、現行のプロバイダー責任法ではネガティブキャンペーンを削除するのは通常1週間かかるので、選挙期間だけ、政治家のネガキャンについては1日や2日で落とせるようにしましょうという対策が今出ている。

ある人と話していて、あ、そうかと思ったことがある。Googleの予測検索、Suggest機能。あれどうするのか。ある議員について何か書いたら、いい予測ワードが出てこないことが多い。議員の問題だ、過去に起こしたこと、今のデマも含めた予測ワードに出てきてしまう。ネット選挙解禁になって、さあ調べようかということでブラウザに議員の名前を入れたら予測ワードにずらっとネガティブなものが出た。というときに、これはプロバイダー責任法でどうこうできる問題ではない。

実際に去年裁判も起きて、ある人がネガティブなデマが出ているから差し止めをしてくれということで地裁がGoogleに差し止め請求をしたが、日本の法律には縛られないということでGoogleは拒否してしまった。しかも、掲載されたブログとかTwitterの情報じゃないから何もできないところがある。かつ、ネットのサービスはGoogle, Amazon, Apple, Facebook, Twitterなどアメリカの企業であるので、日本の法制度と齟齬が生じたときに権利行使が出来ないところをどうしていくのかというところを議員の皆さんに伺って、最後に夏野さん。

松田:現行法でも落選運動は規制されていない。先ほど柴山さんからお話ありましたが、政治活動なのか、選挙活動なのかわかりづらくなっている一つの表れ。我々が出した今の法案に関しては、我々は落選運動も規制しなくて良いという形にしている。落選運動、ネガティブキャンペーンに対してネットを使って反論できるので、規制をする必要がないと思っている。さらにいえば、有料広告も解禁するべきだと思っている。有料広告は法定選挙費用内で候補者本人が使っていいということ。例えば有料広告の中に、誹謗中傷に反論するための広告のバナーを貼るなどを含めてやっていけばいい。基本的に自由を与えて、何か問題が起こればその都度考えていけばよいと思うが、反論を活用していくという考え方。

鈴木最悪のケースを考え出すといくらでも考えつく。一方で良いケースを考えるといくらでも考えつく。最悪のケースが0にならなければやらない、ということでこれまでやらなかった。結局はある程度の比較衡量で、思い切りが必要だと思う。一方で、虚偽表示罪というのがアナログでもデジタルでもあって、虚偽なことを書いたらダメだよと。ネットを使って、善意を持ってやりたい、言いたいと思ったことはどうぞ言ってくださいということ。しかし悪意を持って虚偽であると知りながら悪質に何かするときには、最後は虚偽表示罪で加罰対象にするということで始めてみようと。3年くらい経ったときに振り返ってより良いものに洗練させていけばいいのではないかと個人的にも民主党でも整理をした。

津田:どんな議員でも多かれ少なかれネガティブキャンペーンは出てくるということで、そういうものだと受け入れて意識を変えていかないと時代に合っていかないということですか。

鈴木:既にネガティブキャンペーンをされている方がいて、俺はああいうことをやられた、こういうことをされた、だから反対、心配だ、という議論がほとんど。その可能性を0にすることはできない。だけども、それを上回る反論もできるし、政治を有権者に近づける有力なツールなので、そういうことに賭けようと。

自主的にどれだけ、やっぱり使って良かったというWinWinでガイドラインを作るとか、モンスターなマイノリティに対してノーマルなマジョリティが黙って見殺しにせず、ネットの世界では勇気を持って、叩かれながら、健全な議論を進めていくために立ち上がってほしい。3年後続けていく、進化させていくためにもノーマルマジョリティに問われている。

津田:ニコニコにコメントしてるユーザーにできるのか問われている気もしますね。エールという意味もある。ニコニコのコメントが政治家に届いて対話が始まることもある。

柴山:放送メディアが今のままでいいのかという問題提起については私も強く感じている
公平中立でないと候補者の公平な競争を害する。これは一面そのようだが、実は公平中立を装って不公正な報道をすることがけっこうある。電波は有限だが、うちの局がこの政党を応援する、というのがあってもいい。ここのチャンネルはこの政党を応援してるということが国民がわかった方がいいのではないか。どこの放送局もおしなべて全ての政党を同列に扱うのは実態と外れているのではないかと感じている。

ネガティブキャンペーンがGoogle等に表示されてしまう問題について、ウェブでネガティブな情報が大量に出てくることについては、夏野さんも言ってましたが、本当にそんなネガティブキャンペーンいっぱいやったからって有利・不利にならないと思います。今回の選挙期間中、膨大な怪文書を撒かれたが、圧勝できました。ある程度有権者が成熟してくれば反論も出来るし、ことの真偽をウェブを使って調べることもできる。そういう成熟した文化にできればいいと思うが、そこにはある程度時間がかかってくるようにも思う。ネットの作法、自分で調査批判能力を有権者に持っていただくプロセスが必要になってくる。私は自民党案でやっていただいていいと思っているが、来週の政党間協議がどうなるか固唾をのんで見守っている。ここにお集まりの方に世論を作ってほしいと期待しています。

夏野:僕自身、夏野剛と検索しようとすると離婚と出てくる。やめてほしい、わけわかんない。
松田:松田公太も野口美佳と出てくる。

夏野:メディアが海外か日本かというのは、ほとんど僕は関係ないと最近思ってきている。アメリカが日本の国内政治を牛耳っていると言ってる人もいるが、ほとんど関心ないと思う。中国は関心あると思うが。一企業のGoogleアメリカの国籍の会社だからという理由で操作するなんていうのも、SFの世界だと思う。

Googleは効率的に世界全体でインフラ作ろうかということをやってて、政治のことに関しては、中立でいいかもしれない。日本の国内でどこの選挙区が勝つとかどうでもいいから。企業の国籍がどうのと言ってる時代もいいのかなと。

津田:民主党政権になる、オバマ政権になったここ3、4年政府のデータが公開され、官民が利用することでネットと政治の距離が近くなる現象が起きていて、そこは民主党で、こと情報公開、オープンデータというのはほんとに進んだと思っていますし、特に事業仕分け、お金の流れを明らかにした行政事業レビューシートは大きな成果だったと思う。
自民党政権に政権交代して、続くかどうかけっこう微妙というか自民党が民主党のやってたことを否定から入る流れもあるが、ネットと政治の距離を近くする意味で政府の情報公開は不可欠だと思うが、行政事業レビューシートは続くんですか柴山さん。

柴山:行政管理については総務省の所管だが、行政改革一般については行革担当大臣が別にいます。ただ、行政レビューシートは河野さん、平さん、私などが構想日本の方で最初に作り上げたものを蓮舫さんが活用して事業仕分けにした。自民党の中で行政レビューをしようという若手がパイオニア。たしかに行政の一部が事業仕分けということをやると、
例えば、国会の決算行政監視委員会で活用するであったり、総務省の行政管理セクションで使っていき、活用の仕方を考える事によってよりフェアな形で生かすことができるのではないか。

オープンガバメントについては、情報通信に関わる分野で、まさしく私たちがこれから進めていかなければいけないところ。民主党がやったから否定というのではなく、改良してバージョンアップさせていきたい。

津田我々が政治に参加するとなると、投票か、もう一つ限定された形だがパブリックコメントという形がある。結論が出た段階で意見を言っても、反対があってもひっくり返ることはなかったと思う。行政や自民党党内で今リアルタイムでやってる議論の一部が公開されて、論点がこうなってますということで、限定的に議論に参加させて熟議の質を高めていくことがネットと政治の関係として選挙以外でもあると思う。熟議をやっておられた鈴木さん。

鈴木:マイナーな話ではあるが、研究費が毎年単年度主義で3月に使い切らなければいけないというのをなんとかしたいという声があり、文科省で熟議掛け合いというのをやりました。ネット上とリアルで、審議会に出てくるえらい人ではなく、現場で研究している20代30代の博士ポスドク助教に集まってもらって、リアルとネット上で熟議をしてきて、予算はないが、予算の使い方の制度改革をしたいので何が一番要る?というのを先に話してもらって、そのプロセスを公開しネットで意見もらったら、繰り越しをできるようにしてくれという話だった。

僕が想定していたのと違うことがプライオリティ高かった。だったら繰り越しをできるようにしようということで若手向けの科学技術研究費の法改正。繰り越しを自動的にできるようにするということで、まさに一石三鳥で困ったのは財務省だけ。納税者からしたら2%くらい予算減ってもいいくらいまで言ってくれた。3月末に研究やめて予算を使い切らなきゃいけない。1ヶ月時間がとられる。税金使って研究してるのに良心が傷む。これがなくなり、研究者はハッピー。納税者からすれば100のところが98でいい、逆に100のところが102のパフォーマンスできるから。毎年口突っ込める査定権だけは振ることができなくなっちゃったけど、みたいなことで喜ばれた。マイナーかもしれないが、そういうことが始まっている。ネットを使った直接民主制ではなく、限定的・間接的に集合知みたいなものが影響を与えるのがネットの可能性だと思うが、残り10分。

鈴木:10万人がサポートすれば法律ができるので、注目してほしい。


会場からの質問
郷原弁護士、郷原コンプライアンス法律事務所):今日の話は、ネット選挙を含めて選挙のルールをこれからどうしていくかという話だったかと思うが、もう一つ重要な話は定めたルールをどう守らせていくのか、エンフォースメントの部分。

公選法はわかりにくいということにも関連するが、日本の場合、公職選挙法に関しての罰則が、捜査機関の裁量で適用できる諸外国は専門の機関を作って規制を判断してペナルティを課すことが多いネット選挙も含めていろんな選挙活動ができるとなると、それに対する違反のいろんなペナルティを考えていかないといけない。検事やっていた経験からすると公職選挙法に対する罰則の適用は誠に恣意的で不公平。警察・検察の動機があって、「こいつにやってやれ」ということで狙うことがある。そういう状況を放置したままネット選挙を解禁したら、志のある人が狙われかねない。先ほど言ったようにお茶はなぜだめなのか。蓋がついてるのは市場価値があるから。いくら相当と書けるから、起訴されたら有罪になる。直接捜査機関の介入ができない仕組みを作ることが必要。弁護士も公選法を知らない。弁護士の世界もアドバイスできる人材を育てることも必要。

加持(官邸国際・IT広報室):震災の直後にすずかんさんや近藤ジェームズさんの力を
Twitter/Facebook/Lineをローンチした。今日お話を伺って感じたのは、沈黙は改革の敵である」見ている方達に、是非スピークアップする良き動機を皆様に一言ずつ挙げてほしい。このネット選挙が解禁されることによって日本にもたらされる良い効果をいただけたらと思います。

神谷(自民党大阪第13選挙区支部長):選ばれる側の視点で制度が作られてないか。参画する側、国民の視点がないんじゃないかと思う。話し合われてるのは選挙が始まってからの規制なので、自分は選挙始まる前に動画を撮りだめしておいて、選挙期間中に見てもらえるようにしている。違反にはならない。あんまり、選挙期間中に限って規制をどうするというのはナンセンスだという思い。若い世代がネットをよく使う、彼らの参画意識、投票率がどう高まるかか、という視点でネット選挙を考えないといけない。将来ネットで投票するときにどういった整備が必要なのかという論点で考えていかないといけないが、いまのレベルは低い。ネットで投票することについてみなさんのお考えを。

佐藤ドットジェイピー):ヤフーみんなの政治、楽天政治ラブジャパンなどの運営サポートをしてる。次の一手として参画する一つの方法としてネット選挙運動とパブコメが出た。もう一つがネット政治献金。
2つ問題があって、議員側がネットで献金を集めておられない。楽天の三木谷さんが頑張ってインターネットで政治献金ができるところまで持っていったが、代わりに申し上げるとコストかかってます。議員側が集めさせてほしいというのでコストかけて作ったが、あんまり集めておられないなあという印象。
2つめはモバイル。携帯会社が3社ともネット献金をモバイルで決済したくない。内部規定で禁止になっている。法律では大丈夫という確認がある。あとはモバイルの判断。

瀬尾(講談社ウェブメディア現代ビジネス編集長):ネット投票に賛成なのか反対なのかを理由も含めて。

津田:エンフォースメント、第三者委員会を作った方がいいんじゃないかというところで柴山さん。

柴山:郷原さんは年金機関の第三者委員会でずっと責任者としておありになりました。公職選挙法が恣意的に運用されているということは私も感じる。裁量が働かないような形にするのは検討に値する。ただ運用はやはり難しい。表現の自由を尊重しようとすると、あまり厳しい規制はできない。今の公職選挙法はなぜがんじがらめかというと、候補者間の差をなるべく少なくしようとする目的で、特にお金が絡むことには非常にセンシティブになっている。ある程度壁をとっぱらって原則自由ということにして、ニコニコ動画で先ほどお金持ちしか出られないという意見があったが、そこはネット献金を推進するであったり、公的な金を入れることには賛成しないが、政党助成金で色を付けるなどの形をとって、表現の自由については自由にするということで、第三者が明快な形で取り締まりをする方向がいいのではないか。

津田:夏野さんモバイル献金について。
夏野:これはけっこう簡単で、どこからどこまでが本当に政党で、政治的グループなのかという主体が掴みにくいから。キャリアはなんの悪気もない。悪意を持たないきちんとしたコンテンツが提供されて対価が支払われているものだったらやりましょうということでやっていて、政治の世界でもそれを誰かが担保してくれればやる。ただ政治と宗教、難しい。あとでキャリアが、なんでこんな人たちの献金プラットフォームとしてやってんだと言われるのが怖いだけ。キャリアが主体性をもって判断することはないので、そういうのをここでオッケーと言ってくれれば献金していいという認定してくれる中立機関を作った方がいい。コンセンサスとしてそれがいいとやってくのが早いと思う。一社一社でやろうとしても怖くてやらないと思う。

津田:インターネット投票の賛否について、短期的には反対。eTax、電子の確定申告ってめんどくさい。電子になったら楽になるかと思ったらもっとめんどくさくて紙でやった方が早いっていうのがある。ネット投票はそこが楽にならないとダメ、それの本人確認のためにマイナンバー制やバイオメトリクスなど技術が追いつかないとむしろ煩雑になるだろうと。ネット投票解禁にするよりは、ソーシャルメディアで投票行こうぜって呼びかける方が有効だと思います。

松田:もちろん法案に書いているので賛成。ただおっしゃる通りいますぐの技術では難しい。法案ではプログラム法と言われる、将来的な解禁に向けた調査・R&Dを始めて行こうということにしている。将来的には技術的にできるようになるだろうと思っている。

なぜネット投票が必要かというと例えば今回韓国で、ネット選挙とも言われた大統領選で多くの方がネット上で書き込みをされた。ネットで有利だったムンさんがパクさんに負けてしまった。なぜかというと、ネット上で討論してる人たちと実際に投票に行く人たちがまだ結びついていない。若い人たちがネットの主体であって、その人は投票行動に結びつかなかった。もちろん日本に比べては高いが、年配の方に比べたら少なかった。そこを結びつける意味でもネット投票を作らないといけない。エンフォースメントについてはガイドラインを作らないといけない。もう一つはノーアクションレター。企業はできるが、公職選挙法にも適用したい。

津田:ネットと政治のよい効果と言い足りなかったこと。

鈴木:今のマスメディアは基本的に商業メディア。特にテレビは制作費がかかってる。視聴率がとれるかとれないか。どうしてもステレオタイプ的な情報を流さざるを得ない。テレビとはそういうもの。SNSのソーシャルっていうところに期待している。ネットに投稿される動機は視聴率をとる以外のいろんな動機がある。世の中をよくしようという動機でやり取りされるコミュニケーションが増えることに期待している。

みなさんもお感じと思うが、実は党派による違いよりも、世代による違いなどが大きいことを議員として感じる。マスメディアから流れてくるのは、ステレオタイプ、民主党は、自民党は、みんなの党は、で話をしている。ネットでいろいろ意見を言ってくれるようになると、そうじゃなくて、個々人の議員がこういうことを考えてくる、やってきた、こういう役割が得意だ、ということが議論され、政党政治の枠組みを進化させていく可能性がある。

柴山:ガイドラインを決めなければいけないというのはその通り。ノーアクションレターについては総務省で答弁作ったが、これは行政が指導してやるのではなく、直罰ですので、ノンアクションレターにはなじまないかなと考えています。

松田:政治にありがちな総論賛成各論反対ということにならないように基本的には各論もかなり近いところまできている。若干、第三者のメールユースということに危惧を感じているので、ぜひこれを解禁に向けて必ず達成していきたい。

夏野:ここにいる人がゼロベースで考えることが大事。公職選挙法にもなぜ警察が動いてるのか、おかしい。ノウハウがない。ネットが出てくるタイミングで第三者のSECみたいなものを作って不偏不党のことをやるとか。過去の延長線上に未来がない。
小泉さんも言ってたが、周りに気を使いながら徐々に、っていう改革は期を逸した。思いっきりゼロベースでやるために政権交代が起きてると思うので、是非やりましょう。

津田:ネット選挙解禁しなきゃいけないよね、そうだよね、という議論からは一歩先に進んだ議論ができたのではないかと思っています。ウェブと政治の距離は近くなっていくと思いますし、例えば今回の議論もニコニコ動画など通じてコメントがきている。新しい政治とのウィンドウになってるんだろうなと思いました。来年のG1サミット、1年後はまた状況変わってると思う。個人的にもネット使った政治のメディアを作りたいと思っている。ありがとうございました。

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